石垣島で絶滅危惧種のゴバンノアシ(サガリバナ科)が開花し、訪れる人々の目を楽しませている。
咲いているのは、国の天然記念物・米原ヤエヤマヤシ群落近くにある土産店の中庭。ゴバンノアシは、環境省レッドリストで絶滅危惧IA類に分類される貴重な植物で、果実が「碁盤の脚」に似ていることからその名が付いた。国内では八重山諸島に数カ所自生が確認されているが、開花結実する個体は少ない。サガリバナが上向きに開いたような花は手のひらほどの大輪。夕方から咲き始め、夜に甘い芳香を漂わせながら満開となり、朝には落下する。
店を営む上地源開さんは「育てて18年になるが、これほどたくさん咲くのは初めて」と話す。開花は台風13号の被害を受けた2006年以来4年ぶりのことで、7月下旬から毎晩のように花開いているという。写真は8月12日午後9時頃撮影。ひと晩に咲くのは1つか2つという話だったが、この夜は9輪も咲いていた。