環境省所管の「国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター」(石垣市八島町)が開所10周年を迎え、12月12日から「ヌングンジィマ展」が始まった。
オニヒトデ食害、海水温の上昇などによる白化現象、赤土流出など人為的かく乱などによって危機的状況にあるサンゴ礁。同センターは、その保全のため1995年に設立された「国際サンゴ礁イニシアティブ(ICRI)」と活動プログラム「地球規模サンゴ礁モニタリングネットワーク」の役割を果たすことを目的に2000年5月12日に開所した。
主な事業は、サンゴ礁に関する情報の収集、整理、提供と調査モニタリング、普及啓発活動で、国内外から訪れる研究者や市民らとともにモニタリング調査を行ったり、情報や調査結果を広く公表したりしている。そのほか、地元小中学生を対象に学校周辺の自然大切さなどを学ぶ「子どもパークレンジャー事業」や石垣島と西表島の間に広がるサンゴ礁域「石西礁湖」でのサンゴ移植、自然環境保全活動や支援なども行う。
初日は記念式典が行われ、環境省をはじめ地元のマリンレジャー関係者など大勢の人々が出席。センターのあゆみを紹介するスライド上映や記念講演などの式典が行われ10周年の節目を祝った。
併せて始まった記念の「ヌングジィマ展」の「ヌングジィマ」とはサンゴ礁の方言名で、センター内を4つのゾーンに分け、サンゴ礁の写真や資料、保全への取り組みなどを紹介する。近隣にある八島小学校5年生が製作したサンゴ礁のジオラマやサンゴの標本、サンゴの修復事業やオニヒトデ駆除の取り組み状況などを展示。3Dテレビで海中映像を見ることもでき、写真家の大塚勝久さんの写真展「島の原風景」も行っている。
開館時間は9時~16時。入館無料。今月26日まで。