親子でヨット世界一周-「八重山(やいま)号」が帰還

ヨットでの世界一周を達成した前田さん親子とクルーの永尾彩子さん

ヨットでの世界一周を達成した前田さん親子とクルーの永尾彩子さん

  • 0

  •  

 ヨットでの世界一周を目指し、一昨年、竹富町小浜島を出発した前田博さん・佑樹さん親子が1月16日、約2年の航海を終えて無事石垣島に帰還。17日には出発した小浜島に到着した。

[広告]

 前田さん親子は2009年3月22日、「八重山(Yaima)号」でホームグラウンドの小浜島を出発。最初の寄港地・フィリピンから西回りにインド洋を渡り、南アフリカの喜望峰を通って大西洋を横断、南太平洋の島々やオーストラリア、台湾を経由して八重山に戻ってきた。喜望峰では船底にあるバラスト(重し)が破損。「ここで終わりか」としばらくぼう然としたそうだが、何とか港に入ることができ、自力で修理して再び海へ出たという。

 日数は寄港地での滞在日数も含めて667日。27カ国62の地域を訪れ、地球1周半に相当する7万4,000キロを風とともに旅した。途中で台湾人やフランス人など8人が交代でクルーとして合流。航行中の様子はホームページやブログで紹介し、小浜小中学校(小浜島)と八島小学校(石垣島)の子どもたちとはテレビ電話を使った交流も行った。

 当日13時30分、沖にヨットが見えると厚い雲の間から太陽の光が差し込み世界一周達成の瞬間を演出。平真小マーチングバンドレインボーも演奏で華を添え、岸壁で待っていた家族やヨット仲間ら大勢の市民が大きな拍手と歓声で出迎えた。

 船長の博さんは「五体満足で帰ってこられてホッとした。地球の大きさや丸いことを実感した」と振り返りながらも、「アジアの海が一番汚い。八重山のサンゴ礁はすばらしいが、有人島が多く努力しなければなくなってしまう」と警鐘を鳴らす。さらに「大人も子どもも勉強が大事。異国の文化や自然を知り、いいことも悪いことも見て冷静に判断する力を養わなければ」と話し、「この旅は第1ラウンド。第2ラウンドは世界の様子をみんなに伝えていきたい」と笑顔を見せた。

「今は辛いことばかり思い出すが、英語で多くの友達ができたことが財産」と話す四男の佑樹さんは、「父と2人なのでけんかばかりだったがキャプテンとしての父を尊敬している。今はまだこの旅の価値を実感していないが、これから自分の夢について考えていきたい」と思いを巡らせていた。

 1年10カ月に及ぶ航海のエピソードは話しても話し尽きない様子の博さん。今月29日には石垣港離島ターミナル内とぅもーるネットセンターで講話会を開く。同センターでは29日まで写真展も開催中。どちらも入場無料。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース