石垣のバーで前花雄介さんがソロライブ-新しいライブのスタイル披露

舞台にスクリーンを設置

舞台にスクリーンを設置

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 美崎町のバー「Live Bar BOW GIRLS(ライブバー・ボウガールズ)」(石垣市美崎町)で8月20日、前花雄介さんのライブが行われた。

 今年2月にオープンした同店では、ダーツバーに本格的なライブステージを設置。定期的にライブなどのイベントを開いている。

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 前花さんは八重山在住のアーティストで、主に八重山の自然や文化、歴史などを背景に作詞作曲。三味線の前津由喜美さん、パーカッションの松野智憲さんと共に県内外のさまざまなイベントに参加し、八重山の魅力を紹介している。今回のソロライブでは舞台にスクリーンを設置。自作のCD付き絵本の画像と共に個性的な演出を行い、訪れた観客を魅了した。

 前花さんは冒頭、「八重山の自然や歴史、文化などを通じてさまざまなメッセージを全国に発信したい」と方言で自己紹介。野底マーペーという山にまつわる伝説を歌にした「小さな島のある物語」、西表島にあるマラリア遺跡の「忘勿石」、暦のない時代にこれをみて農耕の時期を判断したという「星見石」を題材にした「満天の星の道しるべ」など、オリジナル曲10曲を披露した。

 前花さんによる歌の解説の時には観客から感心の声が寄せられたり、ある沖縄の名曲を演奏する前に、この曲が胎教に良いという統計があることを前津さんが紹介すると場内からは「私も妊娠中」と手が挙がるなど、アットホームな雰囲気で進められた。

 途中、石垣島に古くから伝わる大津波の話「人魚伝説」を基に作曲したという「人魚の涙」では、「(東日本大)震災が起きてからこの歌を封印していたが、僕たちが今こうして生きているのは僕たちの先祖もあの津波を乗り越えて生きてくれたから。この曲を歌うことで少しでも震災の被災者の励みになれば」としっとりと歌い上げると、場内からは目に涙を浮かべる観客や鼻をすする音も聞こえた。

 何度かライブに訪れているという30代女性は「彼の曲はよくある恋愛の歌でなく、離れ離れになった男女は当時なぜそういう不運に遭ったかとか、戦跡の訴えることなどを考えさせられ、ジャーナリズムを感じる。何より歌がとても気持ちいい」と絶賛。被災地から観光で来島し、たまたまライブに訪れたという夫婦は「津波の歌を聞いて涙が出た。亡くなった友人の顔などを思い浮かべていた。とても心に響いた」と話した。

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