石垣で情歌「とぅばらーま大会」-最優秀賞に前花啓允さん

石垣市で「とぅばらーま大会」開催。最優秀賞は前花啓允さん。

石垣市で「とぅばらーま大会」開催。最優秀賞は前花啓允さん。

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 八重山を代表する情歌「とぅばらーま」を歌い継ごうと毎年旧暦8月13日に開催する「とぅばらーま大会」が9月10日、真栄里公園(石垣市真栄里)で開催され、前花啓允さんが最優秀賞に輝いた。

 同大会は、広く愛唱され無形の文化遺産である「とぅばらーま」を後世に正しく継承するため、1947(昭和22)年から行われている。メロディーは一緒だが、歌う歌詞が一人ひとり違うのも楽しみの一つ。今年の歌唱の部には予選を通過した17歳~73歳の23人が出場し、親子や男女の情愛、故郷への思いなど、それぞれが思いを込めた歌詞を情感たっぷりに歌い上げた。

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 審査発表で知念清吉審査委員長は、「シマムニ(方言)の習得、とぅばらーまの原点・背景をふまえて歌うこと、安定した拍子と歌調、(息継ぎをせず)一息で歌う努力、音域の変化による情感を出した表現力、歌唱力がとぅばらーまを歌う上で最も大切なことであり、これらの項目に合致した方が入賞した」と講評。最優秀賞には前花啓允さんが選ばれた。

 前花さんは今回で8回目の出場で、一昨年は努力賞、昨年は優秀賞を受賞。父親の雄二さんも最優秀受賞者の一人で、親子2代での受賞となった。

 本土から島に移り住んで初めて当大会に足を運んだという33歳女性は「全ての人が同じメロディーを歌うと聞いて驚いたが、不思議と飽きないもの。方言は分からないが、ゆったりした気分で聴いて癒やされた」と話していた。また、毎年会場に訪れるという62歳男性は「今日のチャンピオンは素晴らしい。情感があって、胸打たれる感じがした」と感心した様子で会場を後にした。

 審査の合間には作詞の部の表彰が行われた。最優秀賞の大浜安則さんは、1994年の同大会歌唱の部チャンピオン。今回は若者の島離れを憂い、故郷への思いをつづった歌詞で最優秀賞を受賞し、自ら歌い上げた。

 当日は少し雨も降ったが、雲の合間から十三夜の名月が顔を出す夜。会場を訪れた人々は月を眺めながら歌に聴き入っていた。

 入賞者は以下の通り。【歌唱の部】最優秀賞=前花啓允さん、優秀賞=慶田花貞吉さん、嵩本安意さん、努力賞=垣花賢也さん 【作詞の部】最優秀賞=大浜安則さん、優秀賞=上地京子さん、松原秀吉さん、佳作=黒島師孝さん、特別賞=大浜中学校(生徒作品136点)、竹富中学校(同17点)