秀風会本盛秀八重山民俗舞踊研究所 米寿記念公演第15回発表会「秀風百果報(しゅうふうむむがふ)が10月9日、石垣市民会館大ホール(石垣市浜崎町)で開かれ、門下生による華やかな舞台に観客は酔いしれた。
会主・本盛秀さんの米寿を記念して開催された同発表会。八重山舞踊の心と技を後世に伝え、多くの踊り手を育ててきた本盛さんは、2004年に沖縄県指定無形文化財八重山伝統舞踊保持者に認定され、2009年度には八重山舞踊界初の叙勲として旭日双光章を受章している。
第1部は「赤馬節」で幕開けし、水辺で布を晒(さら)す光景を表現した「大川布晒」、めでたい気持ちを3曲で構成した「寿の舞」、「与那覇節」と続いた。「野山ぬ風ーマ」では笠踊り、鍬(くわ)踊りで八重山の山々、田園風景など自然豊かな風土を表現し、「綾蝶」では色鮮やかな蝶が群れ遊ぶ様子を、扇子を巧みに使い舞台いっぱいに表現した。
第2部は三線斉唱と「あやかり節」で始まり、獅子頭を手に舞う「世果報獅子」を披露。稔り豊かな穀倉・仲良田を歌った「仲良田節」では、本盛さん、娘で師範の本盛美奈子さん、孫で教師の本盛和奈さんと親子3代で舞台に登場し、ひときわ大きな拍手が鳴り止まなかった。
その後、海からの恩恵に感謝する「海ぬ風ーマ」、「越路節」、与那国の古謡(ジラバ)を基にした新造船を讃える儀礼の歌「若船節」と続き、最後は踊り手全員による「六調子」へ。本盛さんが中央で舞うと再び指笛や拍手が沸き起こり、華やかにフィナーレを飾った。
舞台を見た70代男性は「さすが、という舞台だった。構成も面白く、見応えがあった」と感激した様子で話していた。