「第10回宮良長包音楽祭」が6月16日、石垣市民会館(浜崎町)大ホールで開かれた。主催は石垣市教育委員会。
宮良長包(=ちょうほう、1883~1939)は、沖縄近代音楽の父として知られ、教員をしながら八重山民謡の改作や沖縄音楽を取り入れた歌曲を発表し、100曲以上を作曲。代表作に「安里屋ユンタ」「えんどうの花」などがある。
石垣市名誉市民の業績をたたえ、八重山の文化と音楽の創造・発展に寄与する目的で2000年から1~2年に一度開かれ、今年は10回目の節目を迎えた。
音楽祭には、八重山郡内外から17組が出演。第1部は、大浜中学校吹奏楽部による「えんどうの花(アレンジ)」で始まり、「八重山高校合唱部」「まみーず」「石垣混声合唱団」「石垣女声コーラスあかようら」「いしがき少年少女合唱団」「ぶっちー」「池田真作」が舞台に上がった。それぞれの団体は、持ち味を生かして長包メロディーを演奏、歌い上げた。長包に扮(ふん)する出演者の姿も見られた。
2部は、丸山咲さんが高校1年にしてソロに挑戦。その才能に注目が集まった。その後声楽家・小林朋代さん、東田盛誠さん、十文字恵美さんによる独唱が続き、澄んだ歌声で観衆を魅了した。次呂久早苗さんによるピアノ演奏、音楽祭がきっかけで結成された「Voce Angeli」らが続いた。
最後に、全出演者が舞台に上がり「オランダ屋敷」「えんどうの花」を合唱、満席の会場からも声高らかに歌声が響いた。
この日のために、津波勇雄さんは5曲を特別に編曲。「八重山高校吹奏楽部」と、「YAEYAMAストリングス」が演奏で舞台を支えた。