石垣市民会館(石垣市浜崎町)展示ホールで6月22~24日、「水墨画を楽しむ会~おかげ様で10周年~」が開催された。
主催は水墨画を楽しむ会。石垣市教育委員会主催の「墨絵講習会」修了生らが、講座修了後も楽しみながら学習しようと2002年10月に発足。初代会長は識名信用さんで、現在は3代目の吉本吉昌さんが会長を務めている。会員は65~88歳までの13人。月に1度の勉強会のほか、スケッチを兼ねた離島巡りやドライブ、観月会や新年会・忘年会を行うなど、親睦を兼ねて楽しむことを趣旨に活動している。
作品展はその発表の場として開催したのが始まりで、今年で10年目を迎える。展示中の3日間は会員13人の作品が一堂に飾られ、多くの市民が訪れた。
題材は川平湾や宮良ヤラブ並木、サザンゲートブリッジといった身近な場所の風景、シャクナゲやアサガオ、ガジュマルなどの植物、イリオモテヤマネコや水牛、コイなどの生き物から島の英雄や弥勒如来などで、幅広いジャンルの多彩な表現の作品が並んだ。今回飾られた作品は、10周年を記念し、後日冊子にも掲載する予定。
来場者らは会場いっぱいの水墨画を一つ一つ丁寧に眺め、一色の墨で表現する多彩な表現に感心した様子で見入っていた。市内在住の60代女性は「書道をしているので墨は日頃からよく使っているが、こんな美しい絵になることもでき、あらためて墨文化は素晴らしいと思った」と墨の世界の奥深さを話していた。
同会の前会長で最年少会員の石垣実佳さんは「当初楽しむ程度のものだと思って始めたが、10年もたつとみんな目に見えて上達しているように感じる」と成果をしみじみと語る。「とにかく水墨画を通して楽しむことが目的で、みんな人生を楽しんでいる」と明るく話していた。