「第12回男女共同参画」講演会が7月8日、市民会館(石垣市浜崎町)中ホールで行われた。「八重山女性の翼の会」が男女共同参画週間の一環として開催した。
講師は、フリーアナウンサーで童謡のかたり部、伊良皆善子さん。童謡を歌うと気持ちが優しく、穏やかになることに気づき、童謡作者のふるさとを求めて全国行脚、研究を続けている。
講演では、会場に集まった100人ほどの聴衆に「童心は大人の心にもある。今日は童心に返って歌いましょう」と呼び掛け、耳覚えのある「七つの子」「赤い靴」「赤とんぼ」「なんた浜」を一緒に歌った。
伊良皆さんは童謡の歌詞に込められた意味を解説し「みんなが嫌っているカラスを主人公にした『7つの子』は、『あなたの人生の主人公はあなたよ』と教えてくれる。作者の野口雨情は、とりわけ弱者や小さな生き物に深い愛を注いだ」と話す。
「最近の音楽は長調のメロディーが多く、童謡に多い短調のメロディーが少なくなっている。情緒あるメロディーについていけない子は、慈しむ、悲しむ、哀れむという大事な情感が少ない。お母さんは、子どもにもっと童謡を歌ってほしい。自分の言葉で子どもの名前を入れた歌でもいい」と訴えた。
まるでCDを流したような美しい歌声と、66歳には見えない若々しさに、講演の最後には会場から大きな拍手が送られた。
▽伊良皆善子さん=プロジェクトZENKO代表。現在、6本のレギュラーラジオ番組を持つ。 式典、祝賀会、結婚披露宴他、あらゆるジャンルの司会で活躍。19年前から童謡作者のふるさとを全国に訪ね取材する。童謡の背景にある愛と平和のメッセージを多くの人に語り継いでいくことにこだわり、童謡コンサート、話し方教室、講演活動も積極的に行う。