石垣の夏に恒例となったジャズピアニスト・辛島文雄さんの「サマー・ジャズ・ナイト辛島文雄トリオin舟蔵の里」が7月6日、舟蔵の里(石垣市新川)で開かれ、華麗なジャズの音色に100人超の観客が酔いしれた。
同施設でのライブは今年で5回目。2006年に市内のライブスペースで行われた辛島さんの演奏を聴いた「舟蔵の里」オーナーの元村賢さんが、同施設でのライブを持ち掛けたのがきっかけ。例年は野外で開かれるが、今年はガーデンテラスリフォーム後のお披露目も兼ねてテラス内で演奏された。
オープニングは「石垣島Jazz研倶楽部」の演奏で盛り上がった後、辛島さんとベースの楠井五月さん、ドラムの小松伸之さんの3人が登場。辛島さんは「今年も石垣で演奏できることを心の底から感謝している」とあいさつし、オリジナル曲の「フライデーナイト」やボサノヴァの「イパネマの娘」、5月25日発売のCD「サマータイム」収録曲「ハウ・ロング・ハズ・ディス・ビーン・ゴーイング・オン」、「オール・ザ・シングス・ユー・アー」などを演奏した。
情感豊かな演奏の中でも時にはリズミカルに、時にはダイナミックにとさまざまな音色で奏でられる3人の息の合った演奏に、観客も体を揺らしたり歓声を上げたりしながら、思い思いにジャズの生演奏を堪能した。アンコールでは「サマータイム」など2曲を披露し、「また石垣に来られるよう、ますますいい音楽を作ってやっていきたい。またお会いしましょう」と締めくくった。
同ライブに初めて訪れたという市内在住の50代女性は「気持ちが良かった。また来年が楽しみ」、市内で音楽活動を行っている30代男性は「最高だった。ピアノでこんな音が出るのかと、その卓越した表現力に引きつけられた」と、すっかり魅了された様子だった。