「歩いた後に一輪の花を」をテーマに7月8日、ホテル日航八重山(石垣市大川)で石川洋(よう)さん(82)による講演会が行われた。
石川さんは、1947(昭和22)年4月、一燈園創始者・西田天香氏に出会い師事。東南アジア難民救済、スラム支援などの奉仕活動に取り組み、沖縄では復帰前から戦跡の遺骨収集活動などを続けている。週に3回の人工透析を受けながらも、教育・福祉・経営などの講師として東奔西走する。
講演で石川さんは、椅子に深く腰掛け、子どもに対する教育、経営理念、人生訓などを、ぼくとつとした語り口ながら明解な言葉を使い、次々と例を挙げて話を進めた。200人ほどの聴衆は、一言も聞き漏らすまいと、姿勢を正して講話に聞き入り、盛んにメモを取る姿も見られた。
「最近、せっかく会社に入っても『自分に仕事が合っていない』と辞めていく若者が多いと聞く。残念ながら、新入社員のために合う仕事は用意されていないと知ること。仕事からいかに学び、会社にどのように役立ちたいか、喜びと感動を見つけ出してほしい。お母さんは家に帰ったらお子さんにそう話してほしい」と石川さん。
「成功とは成功するまで続けること。99パーセント失敗した上で、最後の1パーセントが成功である。明日があるから明日にするのではなく、今日があるから明日がある。明日の準備を今日のうちに済ませること。段取り八分、本番二分で今日の準備が明日の成功につながる」とかくしゃくとした口調で話し、「苦労は必ず実る」と締めくくった。
来場者は「母親が子どもに与える影響が大きいことを知った。明日から子育てをしっかりしたい」「石川さんの著書を15冊所有するファン。石垣島まで来てくださってうれしい。言葉一つ一つが身に染みグサっときた。一つでも実践できたらいいと思う」と感想を漏らした。
講演会の収益金は、石垣市を通して東日本大震災被災地に寄付された。