石垣で8月30日(=旧暦7月13日)、旧盆の伝統行事「アンガマ」が始まった。
アンガマは、グソー(後生=あの世)からの使者であるウシュマイ(爺=じい)とンミー(婆=ばあ)が大勢のファーマー(子や孫)を連れて家々を回り、先祖を供養して子孫繁栄を願う。
石垣市内では、7つの地域の青年会などが市内各所を訪れる。15カ所を回る予定のいしゃなぎら青年会は、ソーロン初日の30日、まずユーグレナモール、まちなか交流館ゆんたく家を訪れた。
ウシュマイとンミーを先頭に、花がさをかぶり、顔を白い布で隠したファーマーたちが三線や太鼓に合わせて念仏歌を歌い、ユーグレナモールを練り歩き入場した。
ファーマーたちが鷲(ばす)ぬ鳥節、繁盛節、安里屋節など八重山民謡に合わせて踊り、その合間に行われる、ウシュマイ、ンミーと見物客による方言による珍問答が特徴。
会場から「あの世からどうやって来たのか」問うと、ウシュマイが独特の裏声で「最新鋭のボーイング787に乗ってきた」。「ンミーはなぜ歯が1本しかないのか」という問いには、「金歯があったが、ロンドンオリンピックの金メダルの素材に提供した」とユーモアたっぷりに答え、見物客を沸かせた。
30分ほど踊りや珍問答で多くの市民や観光客を楽しませた後、足早に次の会場へ向かうと、見物客は拍手でアンガマの一行を見送った。
アンガマはウークイ(送りの日)の9月1日まで、市内各所で行われる。