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石垣で「ジャンボタニシ」の講演会-農家を悩ます害貝の防除法や生態解説

多数の質問があり、ジャンボタニシへの関心の高さがうかがえた

多数の質問があり、ジャンボタニシへの関心の高さがうかがえた

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 石垣市健康福祉センター(石垣市登野城)で9月27日、「第28回熱研市民公開講座」が開かれた。

ジャンボタニシの防除法について語る松倉啓一郎さん

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 同講座は、熱帯・亜熱帯の開発途上地域の農業の持続的発展、作物の安定生産に寄与する技術の開発を進める国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点(熱研)が、研究内容などを市民に公開する目的で定期的に開いているもの。

 今回は農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センターの松倉啓一郎さんを講師に迎え、「石垣島のジャンボタニシたち~内地(九州等)と異なる種と生態~」と題して講演を行った。

 講演では、南米からの侵入害貝であるジャンボタニシ(リンゴガイ)に焦点を当て、水稲における防除法を紹介。殺虫剤などを用いる化学的防除、防虫ネットを用いるなどの物理的防除、浅水管理を行うなどの耕種的防除、天敵を用いるなどの生物的防除などがあることを挙げ、それぞれの利点・欠点などを解説した。中国や韓国において、ジャンボタニシを活用してマコモ水田でのスッポン養殖技術を確立した例や、水田除草を行っている取り組みなども併せて紹介した。

 松倉さんは、国内に生息する2種のジャンボタニシの特徴や石垣島に生息する種や生態についても説明した上で、石垣のそれらが九州以北のものとは異なることを指摘。寒さに弱いジャンボタニシが暖かい環境で冬に生存できる個体数の多いことや、浅水管理が難しいことなどが、石垣島の水田での被害をより大きくしている可能性があると話した。

 当日は台風17号が接近する中、農業関係者など大勢の市民が参加。質疑応答では「農薬のスクノミンの効果的な散布法が知りたい」「2種のジャンボタニシは交雑をしないのか」「耕耘(こううん)で休止している貝を殺せば寄生線虫も死ぬのか」など多数の質問が挙がり、ジャンボタニシへの関心の高さがうかがえた。

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