石垣市民会館(石垣市浜崎町)で12月23日、子ども演劇「オヤケアカハチ ~太陽の乱~」の公演が行われた。主催はやいま浪漫(ロマン)の会。
「オヤケ赤蜂」(左)と「長田大翁主」は幼なじみでありながら敵対関係
小学4年~高校3年の73人で構成される現代版組踊(ミュージカル)は、今年で11回目。4月から約70回の稽古の成果を昼夜2回の公演で披露した。
同会会長の平良雅樹さんは「リーダーを中心に個々が何をすべきか考え厳しい稽古に耐えてきた。活動の発表を通し、子どもたちに夢と希望を習得させたい」とあいさつ。
物語は15世紀の八重山が舞台。主人公の「オヤケ赤蜂」と「長田大翁主(ナアタフージィ)は幼なじみであるものの敵対する関係。2人の葛藤する心模様と時代考証を、伝統芸能や、その組踊を現代風にアレンジしたダンスで随所に挟み、観客を「笑いと涙、そして感動の世界へいざなう」もの。
昼公演には大浜中学校郷土芸能部、夜公演には大浜獅子棒保存会が特別出演。音楽は池田真作さんほかミュージシャンが迫力ある演奏で支え、舞台は3時間にも及んだ。舞台終了後には役者全員で花道をつくり、観客を見送るサプライズも。
興奮冷めやらぬ観客は「初めて見たが、子どもたちの熱心さに感動した。涙が出た」「アカハチのセリフがはっきりしていて聞き取りやすかった」「ダンサーは笑顔が素晴らしく、舞台を楽しんでいる様子が伝わってきた。踊りが上手でびっくりした」「生演奏と舞台の一体感があり、すごい迫力だった。以前から知っていたが来なかった。もっと早くから鑑賞すれば良かったと後悔している」と感想を口にしていた。