石垣・平得公民館(石垣市平得、TEL 0980-83-0172)は、1月13日、伝統行事「種子取祭(たねとりさい)」を大阿母御嶽(おおあもおん)前で行い、地域住民が今年の五穀豊穣(ほうじょう)と無病息災を祈願した。
平得・老人クラブによる「木遣(や)り ヨイシンヨイシン」の奉納
同館は早朝から五穀の種子が伝えられたとされる多田浜(大浜)で今年の豊作を願う世願い(ゆーにがい)の儀式を行い、神司(かんつかさ)らは平得弥勒(みるく)節にのせて大阿母御嶽(平得)に移動、土地に根が張るようにと「山頭」を奉納した。
崎原喬平得公民館長は「ニライカナイからの神々を迎え、厳粛に儀式を終えた。来夏世(くなつゆ)の実りと無病息災を祈りたい。古くから伝わる伝統行事を引き継ぐことができるのはこの上ない喜び」とあいさつ。中山義隆石垣市長らが祝辞を述べ、乾杯、奉納踊りとなった。
老人クラブは「木遣(や)り ヨイシンヨイシン」を披露。ダイコンやニンジン、サトウキビを載せた荷車「五穀丸」を引き連れ、御嶽に野菜を奉納、地域住民にも野菜が振る舞われた。
奉納踊りはほかに婦人会の「種子取節」、平得小マーチングレインボー、琉球國(こく)祭り太鼓、各班による「繁盛節」「マミドーマ」「うりずん」「ひらえ村」、青年会による余興などが披露された。
メーンは平得愛馬会による「カタバル馬」。各地域から集まった7頭の馬が御嶽の前を東西に駆け抜け、邪気を払った。馬は上下に揺れないのが特長と、コップに入ったビールをこぼさないよう走る実演も。中山市長も促されて馬にまたがり、初めてながら見事な手綱さばきに拍手を受けた。