35回目を迎える市民ロビーコンサートが2月7日に開催され、シンガー・ソングライターの松尾貴臣さん(千葉県千葉市在住)が石垣市役所内のロビーで力強い歌声を響かせた。
松尾さんは1979(昭和54)年長崎市生まれ。千葉大学大学院在学中の2005年にCDデビュー後、「歌の力で日本を元気にしよう」を合言葉に、病院や高齢者施設、障がい者施設などを巡るホスピタルライブを展開。「歌う平成の坂本龍馬」として紋付きはかま姿で全国を飛び回り、その公演回数は年間250回を超える。
石垣公演は知人を介して実現。市内の身障者養護施設「ハーモニー」(石垣市大浜)、介護老人保健施設「聖紫花の杜」(石垣市新川)でもライブを行い、デイサービス利用者や入所者を楽しませた。
石垣市民が集う市役所ロビーライブでは、オリジナル曲の「絆」「リアリズム」「きみに読む物語」などをハイトーンボイスで熱唱。曲の合間には、末期がん患者との出会いをきっかけにホスピタルライブを始めたことや、高知県の龍馬会の方からトレードマークとなる衣装を譲り受けたこと、2009年にはその活動が認められて高知県から観光特使に任命されたことなどを、独特の語り口で紹介。石垣滞在中の観光の様子にも触れ、「人の温かさにふれた3日間だった」と振り返った。訪れた観客はリズムに合わせて手拍子や体を揺らしながら、松尾さんの歌と語りにすっかり引き込まれている様子だった。
千葉市と石垣市に交互に滞在しているという夫婦は「素晴らしいライブで涙が出てきた」「お年寄りも励みになるのでは」と感慨深げに話していた。