南(ぱい)ぬ島石垣空港開港記念「石垣島サンゴウィーク」が、3月5日スタートした。初日は底地ビーチで「サンゴ苗作り体験」と「サンゴとカヌーで遊ぼう」が行われた。主催は石垣島サンゴィーク実行委員会。石垣市観光協会、石垣市、八重山ダイビング協会ほか、多くの自然保護に関わる団体が協力する。
「サンゴ苗作り体験」は八重山漁業共同組合が主体となり、地元の子どもから観光で訪れた大人まで幅広い年代の15人が参加した。同組合サンゴ養殖研究班の小林鉄郎さんは「サンゴの育つ海はどんな海か」を説明。「石垣島のサンゴも年々減少傾向にあり、原因を研究しているが、地球温暖化、生活排水などさまざまな要因が考えられる。サンゴの苗を植えても1割しか生き残らないのが実情。サンゴを救うには島全体、さらには大きな枠組みで解決策を探るしかない」と話し、同体験が始まった。参加者は養殖で育てた「コエダミドリイシ」などのサンゴを蜜ろうで塩ビ管と結合、ナンバータグを装着し「マイサンゴ」として控えた。「サンゴ苗」は底地湾内の養殖棚で育て、定期的にモニターする。
観光で訪れた男性は「たまたまイベントを知り駆け付けた。サンゴの苗を植えるのは初めての体験。人間とサンゴの関係を勉強でき、人間が生態系の一部であることを実感した。中国をはじめ環境問題が深刻な世の中に、ほんの少しだが貢献できてうれしい」と話した。新石垣空港の開港日に大阪へ帰るという。
同イベントは2011年から開催、3月5日(サンゴ)を含めた1週間をサンゴィークと設定。サンゴ礁の保全・エコ・グリーンツーリズムの普及や次世代の人材育成など、石垣島が世界に誇る自然と観光産業の調和した新たな観光メニュー創出が目的。
期間中は、「イノーのコーラルウオッチ」「八重山の自然と暮らしの合同写真ポスター展」「サンゴ不思議発見!」「ビーチクリーンアップ」「八重山のサンゴ展」などの企画が展開される。