![旅行客は珍しいタイマイを写真に収めた](https://images.keizai.biz/ishigaki_keizai/headline/1366882229_photo.jpg)
名古屋港水族館で繁殖したカメ(タイマイ)を黒島(竹富町)で放流しようと、名古屋から石垣島に空輸された後、黒島に船で渡る石垣・離島ターミナルで歓迎式が行われた。
同館は、黒島でウミガメの研究を行う「黒島研究所」と2年前から「タイマイ野生復帰プロジェクト」で共同研究に取り組み、今年で3回目の実施となる。
昨年8月に館内で生まれた甲長23センチ、体重1.3キロほどの20匹と、2009年8月に生まれた甲長48センチ、体重11キロほどの10匹を黒島から放流。2009年生まれの2匹には発信器を付け、どのように移動するのかを追跡調査する。
タイマイはプラスチックケースに入れて移送。名古屋港水族館では出発前に脱水症状にならならないように注射で水分補給し、今年から復活した直行便、名古屋-石垣間約3時間の空の旅を終え、同館を出発してから8時間で同ターミナルに到着した。
歓迎式では、昨年生まれたタイマイがプラスチックケースから落ちそうになるほど元気な姿で旅行客を楽しませ、観光客は珍しいタイマイを写真に収めた。
黒島研究所の若月元樹所長はタイマイの生態について説明。「日本で観察できるカメは、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイの3種類で、国内でタイマイの産卵が観察できるのは八重山諸島のみ。鳥のくちばしのようなとがった顔と、甲羅の周囲がギザギザになっているのが特徴」と説明した。べっ甲細工の原料として乱獲され、絶滅危惧種に指定されている。
北海道から観光で訪れていた三原美登里さんは「久米島でダイビングし、アカウミガメ、アオウミガメを見たことがある。初めてタイマイを見ることができてうれしい。雨のため、たまたま寄った、離島ターミナルでイベントに参加することができて良かった」とタイマイを手に持って記念撮影した。
黒島に渡ったタイマイは4月27日~5月6日、数匹ずつ放流される。詳しくは石垣島ドリーム観光(TEL 0980-84-3178)まで。