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石垣でシカクマメの試食会-6次産業化と赤土流出防止で「一粒で二度おいしい」

中山義隆石垣市長(左から2人目)も試食をよびかけた

中山義隆石垣市長(左から2人目)も試食をよびかけた

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 首都大学東京が、石垣で赤土流出防止のために植えたシカクマメを使い、みそとアイスクリームを試作した。現在、試食会とアンケートを離島ターミナルで行っている。

シカクマメからアイスクリームとみそを試作した

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 同大学はサトウキビ畑の赤土流出防止のために、サトウキビ刈りが終わる3月ごろから夏植えが始まる6月までの、赤土がむき出しになっている期間のシカクマメ栽培を提案した。非常勤講師の辻維周さんは「今までヒマワリが植えられることが多かったが、緑肥にしかならず、経済的効果がなかった。シカクマメを使った加工品、サービスに結び付ける6次産業化につなげれば、赤土流出防止と兼ねて一粒で二度おいしい」と話す。

 同大学助教の伊ケ崎健大さんは、国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点と協力して赤土の流出量を計測。梅雨の大雨時などにその効果を発揮し、90%以上の赤土流出防止を確認した。

 同大学の佐野湧さんは「シカクマメは30%以上の高タンパク質で大豆に似た栄養価があることから、野菜につけるみそと、アイスクリームの中に10%入れて試作を重ねてきた。匂いを弱めるため、水を換える回数を2回にするなど工夫した」という。

 3人は観光客が行き交う離島ターミナルで、2日間200人の声を集計。8割が「おいしい」と答えたという。静岡県、愛知県から姉妹で小浜島に向かうという田島亜祐さん、芙祐さんは試飲後、「豆の味がしっかりと出ている。商品化してもいいと思う」と答えた。

 17日には中山義隆石垣市長も駆け付け、試食を呼び掛けた。「アイスクリームは豆の味が引き出されておいしい。同大学の取り組みを支援し、製品化されることを期待したい」とコメントした。

 シカクマメはマメ科シカクマメ属の多年草で、実の断面がヒダの付いた四角形であることから名前が付いた。「うりずん豆」とも呼ばれる。

 試食会とアンケートは9月18日12時まで。

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