石垣市の観光プロモーション・イベントが9月20日・21日の2日間、韓国ソウル市内の大型ショッピングモール「タイムズスクエア」(ソウル特別市永登浦区)で行われた。
同プロモーションは石垣市の一括交付金(沖縄振興特別推進交付金)を活用したもので、韓国の大型商業施設で行う行政主体の観光PRとしては県内でも初の試み。
新空港開港後、過去最高の観光入域客数を更新するなど観光需要が好調に推移する石垣市では、夏場のピーク期と冬場のボトム期で3倍近くの入域差が出るなどの課題も表面化。同課題解消への取り組みの一つとして、比較的気温の低い冬場旅行に出る傾向のある韓国からも新たな需要を狙う。ソウル-石垣直行便の就航も視野に入れており、その足がかりとしてのイベントとなる。運営はエス・プロジェクト。
会場となったのは、韓国最大級(約30万平方メートル)の複合ショッピングモールの1階部分で、10階まで見渡せる吹き抜けのアトリウム空間。
イベントでは、観光案内や旅行商品などのパンフレットを並べ、同時に来場者にアンケートを行う情報ブースのほか、川平湾の写真を背景にした特設ステージを設け、数時間置きに各種イベントを開催した。
ステージでは、石垣出身のリカトゥモールさん(東京エスムジカ)がヨンエさん(同)のリードボーカル、前花雄介さんのギター&三線と共に美しい歌声を館内に響かせ、モール内のあちこちから眺める多くの買い物客を魅了した。石垣市企画部の嘉数博仁部長による映像を用いた八重山の観光PRでは、食い入るように説明に聞き入るカップルなども。石垣島のマスコットキャラクター「ぱいーぐる」、ミス八重山・遠藤南さんとの記念撮影会や「おかえり南ぬ島」ダンス、韓国のアイドルグループ「7942」とのトークショーなども行われ、イベントスペースは一時通行ができないほどの人だかりになるなど、盛り上がりを見せた。
現地コーディネーターとしてブースでのPRを行ったRedcapTourのボラ・リムさんによると、「同スペースは上の階の廊下やエスカレーターからの客が必ず目にする絶好の場所。ブースへの問い合わせのほとんどが石垣ツアー商品に関する問い合わせだった」と地元客への好感触を得た様子。
イベントに参加したイ・エウンさんは「沖縄の海に興味がわいたし、いろいろな島があることを知った。彼氏と春休みに行こうという話になったので、パンフレットの観光情報を参考にしたい」、キム・ハンナさんは「歌がすごかった。一度石垣島へ行ったことがあるが、置いてある島の写真を見てまた行きたいと思った」と話していた。
イベントのフィナーレには抽選会が行われ、100人の参加者に島の特産品などが進呈された。目玉となる石垣島旅行ペア商品券(34万円相当)を手にしたのは、たまたま母親と買い物に来ていたというユ・ソヨンちゃん(8)。母親のヨンウーさんは「とてもうれしい。今日一緒に来ていた友人親子を誘って4人で行くことにした」とすでに旅行の計画を立てた様子。ソヨンちゃんも「うれしい」と笑顔を見せた。
2日間の日程を無事に終え、嘉数部長は「初めてということもあり始めは不安だったが、皆さんの助けもあり、小さな子どもからお年寄りまで多くの方に石垣島を知ってもらえる機会になった。今後直行便を就航できるよう、引き続き双方で力を合わせていきたい」と手応えをかみしめていた。
同イベントでのアンケート回答者は約1800人、パンフレット・バックの配布人数は約3000人だった。