石垣市健康福祉センター(石垣市登野城)は8月5日、石垣市の小・中・高校の生徒に対して禁煙相談事業を開始することを発表した。沖縄県では初めての試み。
同事業は、若年者の喫煙が早期のニコチン依存形成やたばこ関連疾患の罹患など重大な健康被害をもたらすことから、同センターに禁煙相談室を開設し、学校と一体となり生徒の禁煙支援を行っていくもの。健康福祉センター(市町村)が事業として実施するのは、全国的でも初めてのことだという。
禁煙相談室は週1回行われ、医師と保健師が対応する。学校で禁煙を希望する児童・生徒がいれば、養護教諭が保護者への了承を得て児童・生徒の連絡票を作成、同センターへ紹介する。センターでは児童・生徒の相談対応やニコチンパッチ処方などを行い、相談後は保護者、学校、同センターなどで、児童・生徒の禁煙状況について情報を共有、連携して支援を継続していく。相談は保護者または担当教諭が同伴することが原則だが、個人の意思を尊重し1人での禁煙相談にも対応する。
禁煙補助薬であるニコチンパッチの処方は無料。同事業が禁煙外来を開設するなど禁煙活動をしている奈良女子大学の高橋裕子教授の研究の一環として行われ、その研究費が充てられることで実現した。
ニコチンパッチはニコチンを皮膚から吸収させることにより、禁煙時のニコチン離脱状態を和らげ、禁煙を補助する。使い方は1日1枚、体の一部に貼り付ける。以前は医師の許可がなければ使用できなかったが、今年6月からは薬局でも購入できるようになった。
同センターの医師・城所望さんは「石垣市は、高校生たちが積極的に禁煙活動を行うなど取り組みが進んでいる。先進的なモデル地区として、地域として包括的な援助をしていきたい」と話し、「未成年者はニコチン依存症になりやすいが、そこから抜け出すのも早い。たばこをやめたくて悩んでいるのなら、積極的に利用してほしい」と呼びかける。
八重山福祉保健所も6月から同様の禁煙相談室を開始している。
禁煙相談室は、同センターで毎週水曜16時~17時(TEL 0980‐88‐0088)、同保健所で毎週火曜16時~17時(TEL 0980‐82‐3240)に開く。予約が必要。
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