西表島産の黒米を使った黒米粉パンが沖縄県内の学校給食で使用されることになった。1月13日には他地域に先駆けて地元の西部4校で提供され、西表小中学校(上里多一校長)では試食会も行われた。
黒米粉パンに使われた黒米は、祖納地区の4農家で組織する西表島黒米生産組合(大浜和重会長)が生産したもの。それを沖縄食糧株式会社が黒米粉にし、県学校給食会に納入する。加工は各地域のパン工場で行う。
同給食会は黒米が食物繊維やポリフェノール、ビタミンなど栄養価の高い食品であることに着目。地産地消、食育、食糧自給率アップにもつながるとして開発に取り組んだ。同給食会業務課課長の喜納正勝さんは「学校給食は安全面、栄養面を考慮して砂糖や油脂を控えてあるが、うるち米である黒米を使うことでもちもち感が出て食感が好評。色もきれいな紫色で子どもたちにも喜んでもらえると思う」と話す。
この日、試食会が行われた西表小中学校には生産者をはじめ地域の人々が招待され、児童生徒と一緒に黒米粉パンを味わった。豚肉の天ぷらをはさんで食べていた米盛翔矢くん(4年)は「いつもとにおいが違ってモチモチしていた。色も紫色で面白い」、真謝宗太朗くん(中3)は「最初にメニューで黒米を使ったパンと見てあまり良いイメージができなかったが、実際に食べてみたらいつものパンよりモッチリしていておいしかった。さらに黒米が西表島産と聞いてうれしくなった」と話し、笑顔で食べていた。
同組合の大浜会長は「パンとして食べるのは初めてだがおいしくできてうれしい。米を作ってきてよかったなと思う。これからも無農薬の地球に優しい農業で、安全でおいしい米を提供していきたい」と喜びの表情を見せた。
黒米粉パンは、今月27日・28日には八重山地区で、2月からは全県で提供されることになっている。今後、各学校によるが1~2カ月に1回程度提供される予定。