国立天文台石垣島天文台(石垣市新川)の来館者数が2月21日、3万人を突破した。この日は新川小学校3年生が施設見学。記念品として同校に天体望遠鏡がプレゼントされた。
同天文台は2006年3月に完成。九州・沖縄で最大の口径105センチの光学・赤外線反射式望遠鏡「むりかぶし」を備え、国内でも大気の揺るぎが少ないなど天体観測に適した地域であることから、貴重な天体の観測に成功している。
一般公開は翌4月からスタート。昼の施設見学や夜の天体観望会が行われており、島内外から年間7千人から8千人が訪れている。今年2月20日までの累計は2万9,919人。この日、新川小3学年の親子150人が訪れたことで3万人を突破した。
記念セレモニーでは代表児童3人がくす玉を割り、「祝 来館者3万人突破」の垂れ幕が見えると大きな拍手が起こった。同天文台副所長の宮地竹史さんが賞状と口径8センチ天体望遠鏡を手渡すと、思わぬプレゼントに子どもたちは喜びの声をあげた。
初めて天文台に来たという西玉得晃くんは「天文台はでっかい望遠鏡があってすごかった。今度は自分でオリオン座を見てみたい」と話し、保護者からも「これで星に興味を持つ子が増えたらいいね」という声があった。
石垣市では夏に「南の島の星まつり」を開催されるなど、星空を観光資源にしようという取り組みも行われている。今月19日・20日には同天文台など3者共催による「天文・星空ガイド高校生リーダー養成塾」が開かれ、八重山商工高校商業科観光コースの1年生19人が受講。生徒が八重山の星空や星文化を体験する観光コースを提案した。
「八重山の星空を知ってもらい、観光ガイドができる子どもたちが増えてくれるとうれしい」と話す宮地さん。「地元の子どもたちにもっと利用してもらいたい」と期待を寄せる。