石垣島出身のプロロードレーサー、新城幸也選手がイタリア全土で開催された「第93回ジロ・デ・イタリア」を完走し、日本人初の2大ツール完走を果たした。最終日の5月30日、メガヒットパラダイス(石垣市美崎町)では応援観戦会が開かれ、偉業達成を喜んだ。
フランスのプロコンチネンタルチーム「Bboxブイグテレコム」に所属する新城選手。世界3大レースのうち、昨年は「ツール・ド・フランス」で日本人初の完走。日本人で唯一出場した今回の「ジロ・デ・イタリア」も個人総合成績93位で見事に完走を果たした。今大会では第5ステージで日本人最高位の3位に入ったほか、第10ステージではアシストとして、ゴール直前に2位に躍り出る活躍、第17・18ステージでは先頭でアタックするなど13位に入り、世界に存在感を見せつけた。
最終の第21ステージは1人ずつスタートしタイムを計測する15キロの個人タイムトライアル。新城選手は47番目のスタートで、会場に集まった人々はテレビ中継に映ると期待しながら待っていた。しかし今大会のダイジェストが流れている間に新城選手の出番は終了。姿を見ることができず残念な空気が流れたが、ゴール後の新城選手の電話インタビューが始まると指笛が鳴るなど歓喜に沸いた。
その後も活躍を振り返るビデオが上映され、ライブ映像を見ているような興奮が蘇った。父の新城貞美さんは「完走を果たしたことは記念になり、とてもうれしい。親が思っている以上に上位で勝つことを狙っているのがわかった。走る度に安定感が増し、落ち着いてレースをしているようだった。本当に強くなったと思う」と喜ぶ。八重山自転車競技連盟の長谷川毅彦会長も「幸也は日本の第一人者になった。今日は歴史的な一日」と感無量の表情を見せた。
連日にわたる深夜のテレビ観戦で寝不足の日々が続いた石垣の人々は、1カ月後に行われる「ツール・ド・フランス」出場への期待に胸を膨らませている。