わらばぁーと・子ども未来創造事業の映画・音楽鑑賞会「子ども未来塾&WE LOVE MUSIC ISLAND」が10月16日、石垣市民会館大ホール(石垣市浜崎町)で開かれた。
子どもたちに島の自然や文化、アートに触れてもらい、物作りの体験を通して豊かな感性を養うためのアートワークショップ「わらばぁーと・ゆんたく子ども学校」を3年前から開催しているわらばぁーと実行委員会が企画。高校卒業後、進学や就職のため島を離れる子どもが多い石垣島で「将来への展望となる夢や希望を強く持ち続けてほしい」と、小中高校生や子育て中の父母らを対象に開いた。
テーマは「ふるさと」。映画鑑賞会では、20年ぶりに帰郷した1人の少年を主人公に、ふるさとを舞台に「夢を持った少年時代」と「田舎の現実に直面した現在」を交錯させながらふるさとへの愛情や葛藤を描いた作品「ふるさとがえり」が上映され、観客の涙を誘った。後半は石垣島出身の平得美帆さんがボーカルを務める「東京エスムジカ」がライブを行い、バックでは県出身のイラストレーターpokke104(ポッケイチマルヨン)さんがライブペインティングを披露。透明感のある歌声の中で石垣島の自然からインスピレーションを得たというイラストが完成し、訪れた観客は目と耳でコラボレーションライブを楽しんだ。
幕あいには同作品の脚本を手掛けた栗山宗大さんと平得さんがトークセッション。途中、栗山さんがステージを降りて観客に映画の感想を聞く場面もあり、「感動した」「自分のふるさとである村を考えながら見ていた」という声が上がった。栗山さんは「受け手によってさまざまな捉え方があっていいと思う。その中で何か温かいものやホッとしたものを感じてもらえたらうれしい」と話した。「この映画で(自分の映画制作への思いは)出し尽くした感はあるが、今後は沖縄や石垣島でも映画を撮れたら」とも。平得さんは「私たちのバンドメンバーはそれぞれ出身も文化も違う。お互いのルーツ『ふるさと』を大事にしながらやっていきたいと思っている」と島に寄せる思いを語った。
同事業ではpokke104さんと共にユーグレナモールのアーチを描くアートワークショップも予定しており、10月23日の9時と13時からユーグレナモール内で開く。参加無料。