「春の洋ラン展」が3月3日~5日、ガーデンセンター石垣(石垣市登野城)で開かれた。主催は八重山蘭同好会。
ランの栽培普及と会員相互の研さんを深めることを目的に毎年開催し、今年で41年目。八重山はランの開花シーズンだが昨年11月末から続いた長雨による日照不足で開花が遅れ、今年は昨年より1週間遅れての開催となった。
カトレア、コウトウヒスイラン、デンドロビューム、洋ラン原種など9人の会員が育てた70点もの洋ランを展示。会場はランの気高い香りに包まれ、清楚(せいそ)な花々に訪れた人たちは感嘆の声を上げていた。
同会会長の當山全秋さんは「今年は平均気温が低くデンドロビュームの花つきがいい。寒さを必要とするランにとって今年は好条件。希少種のリンコステリス、ギガンティアの栽培努力が目立つ」と話す。国内では石垣市の尖閣諸島でしか生息しない「コウトウヒスイラン」(学名=バンダラメラータ)も展示され、希少な野生ランに見入る人も。
株分けのための植え替え教室も開かれ、植え込み材の扱い方や水やりのタイミングを具体的に解説。参加者は「今まで間違えた植え替えをしていた。水をやりすぎると根腐れしてしまうことがわかり、今後は参考にしたい」と話していた。
洋ランは熱帯、亜熱帯に分布し、石垣は年間を通して屋外での栽培が可能なことから条件に恵まれ愛好家が多い。
同会では毎年優れた作品を表彰している。今年の受賞者は次の通り。大賞=當山全秋(リンコステリス ギガンティア)、金賞=西里豊吉(カトレア)、銀賞=前内原用吉(カトレア)、明末敏生(オウサイラン)、銅賞=高梨由佳(カトレア)、奨励賞=當銘光成(デンドロビューム)、浜田弘美(カトレア)、ガーデンセンター石垣賞=新里てる美(コウトウヒスイラン)。