マルゲン水産(石垣市新栄町)が経営する「海人居酒屋『源』平得店前」(平得)で5月27日、重さ380キロの本マグロ(クロマグロ)解体ショーが行われた。会場には巨大なマグロを見ようと約150人の市民が集まった。
石垣では4月から6月が本マグロ漁の最盛期。産卵のため黒潮に乗って北上する本マグロが石垣周辺海域で取れる。同社の第一源丸(大城秀樹船長)は前日水揚げした5本のうち3本を本土に空輸。380キロと230キロの本マグロを解体ショーで市民に提供した。
「これから解体ショーを始めます」との声を張り上げると大きな拍手が起き、スタッフがチェーンソーやのこぎりなどを使って解体開始。頭の部分が切り取られると「おー」と大きな歓声が上がり、2人がかりでないと持てないその大きさにため息が漏れた。部位ごとに分けられた身は20人がかりで小分けして販売。たちまち行列ができた。
マグロは100グラム当たり、「赤身」=250円、「中トロ」=400円、「大トロ」=550円で販売。市内大型スーパーでも同価格で販売され早々と売り切れた。市内6カ所ある系列店でも赤身一皿500円で提供された。
船首の上地肇さんは「石垣島の南30キロほどで取れた本マグロ。大きすぎで飛行機に乗らない分を安く市民に提供した。本マグロのおいしさを味わってもらえれば」と話し、今年は豊漁と笑顔を見せた。
本マグロは本土では「クロマグロ」と呼ばれ、魚体の色と希少価値から「黒いダイヤ」ともいわれる。