石垣のホテル「フサキリゾートヴィレッジ」(石垣市新川)で6月3日、「JAZZY BRIGHT~月夜とジャズと人魚の夢~」が開かれた。
同ホテルで6月9日・10日に開催予定の「トロピカルラヴァーズビーチフェスタ2012」のプレイベントとして開催。当日は「育てよう未来へ幸せの種をまこう」をテーマにさまざまなイベントが催された。
海沿いのガーデンでは、同フェスタに毎年イラストを提供しているイラストレーターpokke104(ポッケいちまるよん)さんによるワークショップが開かれた。午前中から多くの子どもたちが集まり、八重山に伝わる民間伝承「人魚伝説」をテーマにしたモチーフ画を作成。それをコラージュしてpokke104さんが180センチメートル×360センチメートルの大きなパネル画を完成させた。ワークショップに参加した子どもたちはクレヨンを手に色鮮やかな魚やサンゴなどを描き、思い思いに創作体験を楽しんだ。
夜の部はケンヤ・マルセイユ・オーケストラバンドでにぎやかに幕開け。13人編成のリズミカルな演奏に会場となった海辺の屋外レストランが一気に華やぎ、リズムに乗って体を揺らす観客の姿が見られた。島のアーティスト前花雄介さんのステージではpokke104さんがライブペインティングで共演。八重山の魅力を詰めた楽曲をしっとりと歌い上げる中、歌のイメージを1枚の絵として即興で完成させた。
続いてジャズシンガーのAkiko(あきこ)さんがジャズピアニストの竹田麻里絵さん、ベーシストの角田隆太さん、在沖縄第三海兵遠征軍音楽隊隊長でドラマーのスティーブン・B・ジオビさんと共に登場。「去年初めて石垣島に来て、自然や出会う人々がすてきで大好きになった。今年も来ることができてうれしい」と話し、オリジナル曲「アイ・ミス・ユー」やジャズのスタンダードナンバー「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」、ビートルズの名曲「アクロス・ザ・ユニバース」など幅広い選曲で美しい歌声を披露した。途中、島のシンガー具志堅陽子さん、ギタリストの喜舎場英雄さんと一緒に島の民謡「月ぬ美(かい)しゃ」を披露する場面も。台風接近で心配された天気も回復し、月夜の下で響き渡る美しい音色に観客は気持ち良さそうに聴き入っていた。
神奈川県から訪れたという青木信自さんは「『月ぬ美しゃ』は知っていたが、こんなバージョンで聴いたのは初めてで素晴らしかった。とても気持ちのいいステージだった」と満足した様子で話していた。