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八重山の方言大会で8人が熱弁-表現豊かな発表に会場盛り上がる

会場は立ち見がでるほど多くの来場客が足を運んだ

会場は立ち見がでるほど多くの来場客が足を運んだ

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「第2回しまむに(方言)を話す大会」が7月14日、石垣市民会館(石垣市浜崎町)中ホールで開催された。主催は石垣市文化協会。

最優秀賞には荻堂久子さん

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日常生活で使う機会が少なくなっている方言への関心を高め継承していこうと、昨年から実施している同大会。話者8人がそれぞれ地域の方言で昔話や地域の言い伝え、体験談などを表現豊かに堂々と熱弁した。会場は満席で立ち見が出るほどの聴衆で埋まり、発表者らのユーモアあふれる口調や興味深い体験談に時折指笛の称賛や笑いが起こるなど、盛り上がりを見せた。

 一通り発表が終わると沖縄・宮古方言の話者による特別出演や余興があり、その後、審査発表が行われた。最優秀賞には荻堂久子さん(平得)が輝き、ほか7人は優良賞に選ばれた。

 荻道さんは「稲作の始まりと私の使命(マイツクルヌ ハジマリトゥ バーシュクブン)」の演題で発表。自身が神司(ツカサ=神職)を務める御嶽(オン=拝所)の祭神「多田屋オナリ」が、琉球王府時代に台風に遭いベトナムで一時滞在したこと、帰島の際には米の種子を持参し、それが八重山の稲作の始まりとなったという言い伝えを紹介。自身は3年前にベトナムへ行き、土地の神様に500年前のお礼の祈りをささげたことを報告した。

 審査委員長の宇江城正晴さんは「八重山の長い生活の歴史を伝えられてきた方言こそ『詩の国・歌の国』といわれるゆえん。今回の発表は8人とも素晴らしかった。発表する話の特徴の捉え方、表現力、内容の分かりやすさ、リズム、会場の反応を基に評価した」と講評した。「今回小中学生の参加が無かったのは残念だが、今後教育委員会や学校などみんなで手を取り合って進める必要がある」とも。

 荻道さんは9月に行われる県大会に派遣される予定。

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