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石垣で情歌「とぅばらーま大会」-情感豊かに歌声競う

作詞の部では宮城幸子さんが最優秀賞

作詞の部では宮城幸子さんが最優秀賞

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 八重山を代表する情歌「とぅばらーま」を歌い継ごうと毎年旧暦8月13日に開催する「とぅばらーま大会」が9月30日、石垣市新栄公園(石垣市新栄町)で開催され、新城喜亨さんが最優秀賞に輝いた。

最優秀賞に輝いた新城喜亨さん

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 同大会は、広く愛唱され無形の文化遺産である「とぅばらーま」を後世に正しく継承し、発展させることを目的に1947(昭和22)年から行われている。メロディーは一緒だが、歌う歌詞が一人一人違うのも楽しみの一つ。今年は台風17号の影響で2日延期されたが、満月の下大勢の観客が会場に詰め掛け、芝生の上で美しい音色に耳を傾けた。

 今年の歌唱の部には予選を通過した18歳~82歳の23人が出場し、親子や男女の情愛、故郷への思いなど、それぞれが思いを込めた歌詞を情感たっぷりに歌い上げた。

 前花友宏委員長は「とぅばらーまはラジオやテレビ、映画も携帯もない時代に野や浜で、農作業を終えた後などに、一日の慰労や明日の活力を得るため歌い継がれたもの。今日では日本全国・海外にも高い評価を受けている。祖先が遺(のこ)した貴重な文化遺産を未来永劫(えいごう)歌い続けてもらいたい」とあいさつ。審査の結果、最優秀賞には最年長の新城喜亨さん(82歳)が選ばれた。優秀賞は岡山創さん、慶田花貞吉さん、努力賞は豊里美保さんが獲得した。

 新城さんは過去の大会で審査委員長を務めた経験もあるが、今回が初出場。三線を入れない「野とぅばらーま」をしっとりと歌い上げ、見事最優秀賞に輝いた。

 審査の合間には作詞の部の表彰があり、前年度までの歌唱の部チャンピオンがそれぞれ歌に乗せて披露した。最優秀賞は宮城幸子さんが亡き母への思いをつづった歌詞で受賞。表彰式では母親が織ってくれたという着物で登場し、「自分の作った詞が三線に乗ってチャンピオンの歌で届けられてうれしい。母への供養にもなったと思う」と涙ぐんだ。優秀賞は松原秀男さん、上地京子さん、佳作は鳩間真吉さんがそれぞれ受賞した。

 今大会では、伊良部島から宮古民謡「トーガニー」の歌い手の森田秋さんがゲスト出演。「島トーガニー」を熱唱し、大会に花を添えた。

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