「2012イリオモテヤマネコ冬の交通事故防止キャンペーン」が11月1日、始まった。主催は環境省那覇自然環境事務所。
イリオモテヤマネコは、推定約100頭の生存で絶滅の恐れが極めて高いことから、国内希少野生動植物種に指定され保護が図られている。その生存を脅かす最も大きな要因が交通事故で、記録が残る1978(昭和53)年以降、既に56頭が交通事故死しており、つい先月も幼獣が犠牲となったばかり。特に冬季は雄ネコの発情時期で活動が活発になるとともに、子ネコが独立する時期で、警戒心の薄い子ネコが餌を求めて路上に頻繁に出現する。同事務所では、交通事故が発生しやすい傾向がある冬季にかけて普及啓発を行い、安全運転への注意喚起を促している。
キャンペーン初日の1日は、同事務所職員とキャラクター「まーや」が石垣島まつりのパレード内や石垣港離島ターミナルなどでチラシを配布し、地域住民や観光客への理解を求めた。
キャンペーンは来年2月28日まで。期間中、西表野生生物保護センター(竹富町古見)でイリオモテヤマネコ展や「イリオモテヤマネコと希少動物たちを守ろう絵画コンクール」の表彰式、地域住民を対象にした環境学習や各種イベントなどを予定する。
同事務所では、イリオモテヤマネコを目撃、衝突、死体を発見した場合はヤマネコ緊急ダイヤル(TEL 0980-85-5581)まで連絡するよう呼び掛けている。24時間対応。
特に事故当事者からの通報でヤマネコを助けられる可能性が高まることや、事故対策を考える上でも重要な情報が得られることから、「事故を起こした場合の連絡も重要。故意でない限り罪に問われることはないので、万一の場合はぜひ協力してほしい」とも。