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「飼い主のいない猫のトラブル解決法」-石垣で獣医師が講演

「地域猫」問題解決について多くのヒントが見つかった

「地域猫」問題解決について多くのヒントが見つかった

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 「地域猫って、なあに? 飼い主のいない猫のトラブル解決法」をテーマにした獣医師・黒澤泰さんの講演が11月18日、石垣市役所(石垣市浜崎町)で行われた。主催は石垣市と石垣島しっぽの会。

沖縄本島で講演を終えた獣医師・黒澤泰さんが駆けつけた

 同市は先月、「南の島の猫アイランド事業」として諸団体の協力を得て171匹の手術を行ったが、終了後に「敷地内でふん尿をされる」「自費で不妊去勢をしているのに近所の理解が得られない」「近所に猫を集めて殖やしている家がある」などの相談が寄せられていた。

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 神奈川県横浜市職員、獣医師の黒沢さんは1995年、同市磯子区の保健所で人と猫が共存できるまちづくり事業を打ち出し「地域猫」の考え方を全国で初めて行政として発案、実施した。今講演は市民の相談に対する解決策の一例ともなった。

 黒沢さんは「地域猫」を「地域の理解と協力を得て、地域住民の認知と合意が得られている、特定の飼い主のいない猫をいう。その地域に合った方法で飼育管理者を明確にし、フードやふん尿の管理、不妊去勢手術の徹底を行い、数を増やさず、一代限りの生を全うさせる猫」と定義する。「猫の問題は地域の環境問題。特定の人に限らない問題」と訴えた。

 黒沢さんは「住民トラブルの把握」「地域住民の合意」など、3段階に分けた「地域猫活動の進め方」や、250~2500世帯の5つの地域でのケーススタディーなどを詳しく説明した。「募金はワンコイン(500円)にすると効果がある」「ミカン箱サイズの発泡スチロールにマタタビを含んだ土を入れると猫のトイレになる」「決めた時間に餌を与え、置き餌はしない」「街のゴミも拾う美化活動の中の一つにする」など具体的なヒントの数々に参加者は盛んにメモを取っていた。

 「成果が出るまで時間がかかる」「世話している地域に猫が捨てられる」「経済的、労力的に負担が大きい」という課題もあるが、「地域猫と共存できる地域は人にとっても住みやすい豊かな地域。猫を通じて地域の人間関係が円滑になる」とメリット面を強調した。