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自立生活センター「南十字星」開所でシンポジウム-障がい者の自立支援目的に

自身の体験談などを語る代表の金城さん

自身の体験談などを語る代表の金城さん

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 石垣市総合体育館武道場(石垣市平得)で12月9日、「障がい者の権利と自立生活に関するシンポジウム」が開催され、市民100人余りが熱心に耳を傾けた。

会場にはトークに合わせた手話や字幕のスクリーンを設置。来場者は真剣な表情で体験談に耳を傾けた

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 自立生活センター「南十字星」(石垣市大浜)の開所に合わせて開かれた同イベント。「自立生活センター(CIR)」は、障がい当事者が運営し、重度障がい者が地域で自立した生活ができるよう、自立生活プログラムをはじめ、さまざまなサービスを提供する施設。1972年にカリフォルニア州バークレイに設立されたのが始まりで、現在、日本で130カ所前後のセンターが活動している。

 シンポジウムでは同センター代表の金城太亮さんをはじめ、CIR下関事務局長の増本恵子さん、障がい者自立生活センター都城ハッピー代表の白坂京子さん、自立生活センター希輝々の比嘉隆一さん、自立生活センターまんたの根間剛さん5人がそれぞれ自身の体験や障がい者の立場から見た社会の問題点などを語った。

 その中で、増本さんは「大変なこともあると思うが、その一つ一つが自分たちの経験になるので、たくさんの人が集まるすてきなセンターにしていただきたい」と期待を寄せた。比嘉さんは「障がいを持ったことにより、『希輝々』の人々と出会い、自立生活センターのさまざまな人々との付き合いができるようになったことが良かった」、白坂さんは「障がい者に対する社会へのハードルはまだまだ高いが、自分ができない代わりに介助者がいろいろな情報をくれるので、すごく素直に生活ができている」、根間さんは「障がい者になって引きこもっていたが、『まんた』に通うようになって何かできるんじゃないかと思い、行動に移せた」とそれぞれ、自立生活センターに関わることで生活が改善され、積極的な活動参加につながっている現状などを話した。比嘉さんは最近のうれしい出来事として、「中学生たちが自分を怖がることなく、あいさつしてくれた」と話し、人と人が障がいの有無に関わらずあいさつできる社会への期待を込めた。

 金城さんは「障がい者が何か力を借りることが悪いことではない。僕もサポートをしてくれる人がいることによって、何かできることがあるのではないかという思いがあり、自立するきっかけになった。障がい者について一人でも多くの人に知ってもらうことが大事。これからどんどん社会に出て、いろいろな人と関わり、話をして、触れ合っていきたい」と話す。

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