石垣市防災週間中の4月28日、石垣島全域を対象に津波を想定した避難訓練が行われ、昨年から約500人多い2282人が参加した。昨年に続き2回目。
自衛隊は300人分のカレーを炊き出し、市民から「おいしい」の声
石垣市は毎年4月24日を「石垣市民防災の日」、24日~30日を「石垣市民防災週間」と定め、1771年に起きた明和大津波の悲惨な史実を風化させることなく、市民の防災知識の習得や防災力の向上を図る。
10時に石垣島東方沖で強い地震が発生したと仮定し、同市が防災無線と防災情報メールを送信。大津波警報とともにサイレンを鳴らし広報車などで避難を呼び掛けた。訓練には自治公民館など29団体が参加、32の避難カ所に徒歩で移動する様子が見られた。
中央運動公園屋内練習場には災害対策本部が設置され、中山義隆石垣市長を本部長とし、市職員や竹富町、消防、自衛隊、警察が住民安否情報を収集した。
陸上自衛隊第15旅団は99人が参加、5メートルほどの無人偵察ヘリコプターを飛ばし、新川から観音崎にかけて上空から映像を本部に伝送、その様子を関係者が見守った。
北部地区で道路が寸断されたと想定、同隊の30人乗りヘリコプターCH47が明石に飛び、住民12人を乗せ陸上競技場に戻った。その後、黒島住民の移送も行った。
同隊は避難住民に300人分のカレーライスの炊き出しを行い、住民は「おいしくできている。ご飯はわざとやわらかくしたのか」などと感想を寄せた。
11時30分から閉会式が行われ、中山本部長は「多くの住民の皆さんに協力していただき感謝している。災害時には1人の命も失わないようにしたい」と話した。
その後、石垣市消防本部が搬送方法や自動体外式除細動器(AED)、消火器の使い方などを説明した。