太陽が水平線に沈む時に現れる「グリーンフラッシュ」が7月、石垣で相次いで観察されている。石垣経済新聞では7月9日・10日・30日の3回、グリーンフラッシュのビデオ撮影に成功。ユーチューブで公開している。
「ミルミル本舗」は小高い丘の上から水平線を広く見渡せる場所に立ち、市民や観光客に人気
石垣では2010年7月、石垣市在住のカメラマン・中西康治さんが撮影に成功し、ネットを通して広く知れ渡り、最近ではブログやフェイスブックなどでグリーンフラッシュを撮影した様子が多く紹介されるようになった。
石垣市内で観察できるポイントは、観音崎、御神埼などが有名だが、最近は市街地から車で15分ほどの「ミルミル本舗」(石垣市新川)が市民や観光客の人気を集めている。小高い丘の上から水平線を広く見渡せる場所に立ち、ジェラートやハンバーガーを食べながらサンセットを楽しめる。同店の伊盛圭吾さんは「5月から9月にかけて当店から見えることは決して珍しいことではない。見た人は幸せになれると言い伝えられるので、出現するとお客さまは大喜びする」という。
この場所では夕日が水平線に沈むことが多いが、7月30日の撮影では約30キロ離れた周囲約4キロの鳩間島越しに太陽が沈み、グリーンフラッシュがより鮮明に現れた。東京から家族3人で観光に訪れた佐藤裕二さんは「タクシーの運転手さんから聞いて訪れた。高台で眺めもよく、普通の夕日でも感動する場所だが、グリーンフラッシュだったのでさらに感動した」。大阪から友人2人で訪れた坂本真希さんと金沢桃子さんは「観光の一つとして夕日は絶対に見たかった。ロマンチックな夕日が見られてうれしい。こんなところでプロポーズされたら幸せなはず。一生忘れられない思い出になった」と感動した様子。
グリーンフラッシュは、地球の丸みに沿って丸くなっている大気がプリズムとなり、屈折によって太陽の上側にずれて見える波長の短い緑色の光が地平線や水平線に沈む一瞬だけ強く浮き上がる現象。大気の透明度や気象条件がそろった時にだけ見られる。映画「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」では、グリーンフラッシュが顔を照らす印象的なシーンがある。