沖縄県内一の食肉加工量を誇る石垣で新食肉処理施設「八重山食肉センター」(石垣市大浜)が完成し、4月21日に稼働を始めた。
同センターは1973(昭和48)年、石垣市や郡内農業協同組合、生産者、食肉販売業者の出資により会社設立。翌年建築され、郡内の食肉流通の拠点として40年近く利用されてきた旧施設は当時主流であった養豚から肉用牛へと畜産情勢が変化したことや、石垣牛ブランド化による殺到数の増大、老朽化などにより施設の改善・建て替えが急がれていた。
新施設は2012年度の「離島畜産活性化施設整備事業」により着工。旧施設に隣接する9070平方メートルの敷地内に整備された。
総事業費は24億7,610万円。延べ床面積は3200平方メートルで鉄骨造の地上2階建て。大動物(牛、馬)と小動物(豚、ヤギなど)の「と畜解体処理施設」、ホルモンなど畜解体で副次的に産出される「副生物処理施設」に加え、部位ごとに処理する「部分肉処理施設」などを備える。処理能力は1日当たり牛20頭、豚50頭に拡充。枝肉をつり下げて血抜きから解体処理までを一貫したオンライン解体方式を採ることで衛生面も改善。全国でもトップクラスの衛生管理体制を誇る。
20日の落成式には約200人の関係者が訪れ、テープカット、内覧会などが行われた。同センター社長となる石垣市の中山義隆市長は「より良質、安全、安心で衛生的な食肉を提供できることとなり、関係各位に感謝したい。同施設が八重山圏域の畜産流通拠点として、地域経済の発展に大きな展望を成し遂げるものと確信している」と期待を寄せた。
式典では真栄里公民館伝統芸能保存会による勇壮な獅子舞も披露。同日夜には市内ホテルで記念祝賀会が開かれ、関係者らを招いてセンターの完成を盛大に祝った。