豊漁と航海の安全を祈る伝統行事「ハーリー」が旧暦5月4日(ユッカヌヒー)の6月1日、八重山では石垣島で3カ所、小浜島、西表島、与那国島の計6カ所で行われた。
石垣漁港(浜崎町)では八重山郡内最大の「石垣市爬龍船競漕大会」が開かれ、多くの参加者が力強い櫂(かい)さばきを見せた。
中国から伝来し、県内各地で発展継承されてきたハーリー。1906(明治39)年に開催されて以来、漁業者や市民により海の一大祭典として継承され、今年で108回目。30度を超える真夏日の中、日曜日ということもあり大勢の参加者や観客が会場へ詰め掛け、水しぶきを激しく上げながら進む精鋭なレースに声援を送っていた。
漁業者による安全操業と豊漁を海神に祈願する「御願ハーリー」は中・西組合同、舟を転覆させて復元力を併せて競う「転覆ハーリー」は東1組が制した。「上りハーリー」では、岸で応援するメンバー同士が熱くなる場面も。パーランクーと声援で盛り上がり、中・西組合同が勝利し、中・西組合同が7連覇を飾った。
一般参加の「団体ハーリー」「マドンナハーリー」「中学校対抗ハーリー」「水産関係ハーリー」では160チーム、1600人が参加、どのチームも気合と団結力を示すように、そろいのTシャツなどを着て出場。中にはピエロに扮(ふん)するチームも。
結果は団体が「青波」、マドンナは「波乗りレディース」、中学校は「石中わたなべ組」、水産関係は「西海区水産研究所亜熱帯研究センター」がそれぞれ優勝した。会場では各組の女性部舞踊のほか、市内小学生の舞踊の披露もあり、大会に花を添えた。
「Team Uma 36.com」の仲原真紀さんは「今年生まれ年の36歳を迎えるメンバーで参加した。仕事や育児に忙しい中、平日の夕方に数回集まり練習を行い、見事1位(最下位)だった。しかし、仲間で一つの事に熱中し、最高の1日を過ごすことができた」。「Re-ty Hair ans make サポートチーム」の武田絵美さんは「仕事や飲み仲間、東京の友達を呼んで初参加した。最下位ではなかったが、仲間の絆は深まったのでまた来年参加したい」。「おっさんむーむー」の佐藤典子さんは「今年も燃え尽きた! ビデオや写真を見ながらの反省会も終わり、今後しばらくは、脱力感の日々となりそう。10人の気持ちをひとつにして漕ぐハーリー、また来年もがんばりたい」とマドンナハーリー出場者の感想。