石垣市健康福祉センター(石垣市登野城)で2月7日・8日、日本最南端のハーブの祭典「ハーブフェスティバルin八重山」が開催された。
石垣初開催となる2月6日の「全国ハーブサミット」に合わせて開いた同フェス。年に一度、全国各地で開催する同サミット&フェスでは、「魅力あるまちづくり」を推進するため開催地の特色を生かした内容を盛り込む。
テーマは「命草(ぬちぐさ)」。「古くから伝わる島ハーブの恵みが命とともに次世代につながっていってほしい」との思いを込め、八重山のハーブの総称として名付けられ、ロゴも作成された。
同委員会では、島の美しい自然と人々が伝えてきたハーブの魅力を存分に生かした内容企画のほか、開催後の持続性を念頭に検討するワーキングチームも設置。「ハーブの生産」「販売・商品開発」「飲食店・レシピ考案」「ハーブ教育」「観光連携」「メディア戦略」に分かれ、1年がかりで準備を進めてきた。
当日、屋外では八重山ならではのハーブを使った雑貨やアロマグッズ、ハーブティーやスイーツなどを販売する物産展、ハーブを使った料理を提供する飲食ブース、マッサージや足湯の体験コーナーなどを展開。屋内ではハーブ繊維を使った機織りや蒸留水作りなどの体験型ワークショップ、イラスト画・ガーデニング・関連団体の活動報告などの展示ブースのほか、ハーブにまつわるさまざまな講演会やコンテストも実施された。会場には子どもからお年寄りまで多くの人が訪れ、ハーブの香りや味を感じながらそれぞれの企画を満喫していた。
来場者投票による八重山調理師会の料理コンテストでは、小浜島のホテル「はいむるぶし」で洋食を担当する伊藤未来さんが最優秀賞に。体験学習を通してハーブを学んできた石垣第二中学校の生徒らによるクラス対抗「命草クッキングコンテスト」では、2年3組の生徒らが最優秀賞を受賞した。
ロゴを作成したイラストレーターの酒井木乃葉さんは、エッセンシャルオイルを混ぜた絵の具で大きなカンヒザクラの絵を描くハーブペイントの講師も務め、「子どもたちが動くたびにアロマの香りが辺りに漂い、お母さんたちも癒されたのでは。ただ楽しいだけでなく心地よい時間になったと思う」と話していた。
同フェスに合わせ、市内の7業者がハーブを使った商品を開発。クロージングセレモニーでは11点の新商品のお披露目も行われた。
ハーブサミットの中で「命草」が地域振興に大きな可能性を秘めているとし、命草リゾート地への提言を行った実行委員の嵩西洋子さん(ジャパンハーブソサエティ八重山支部長)は、「新しい取り組みが今始まったんだなと強く感じている。私の故郷・与那国方言で『アイグハンキドゥ、ドゥルヤピカルゥ(歩く足にしか泥は付かない)』と言うように、やればできるということが証明された。これを機に、皆さんと一緒にこの活動を継承していきたい」と目を輝かせた。
同実行委員では、2月15日までハーブウィークを開催。島内外26店舗でオープンガーデン、自然体験プログラム、手作り料理体験、ワークショップなど、多数の観光ツアーやイベントを実施している。詳しくはホームページで確認できる。