西表島の「中野わいわいホール」で3月26日、劇団フジの子ども参加型ミュージカル「ピノッキオ」の公演が行われ、子どもや家族連れ300人がミュージカルを楽しんだ。主催は竹富町と竹富町教育委員会。
沖縄県の「平成27年度文化芸術による地域活性化事業」として行われる同公演。本物の舞台やミュージカルを見る機会がない離島の子どもたちに、本格的な舞台芸術を体験させることを目的としている。併せて、ミュージカルに参加することで舞台芸術や作品作りの楽しさを体験させたいという声から実現した。
オーディションで選ばれた波照間島と西表島の小学生14人が参加。練習は西表島上原地区で行われ、上原小学校の読み聞かせサークル「ときめき一座」が中心となり、半年間に30回の稽古を行ってきた。遠く波照間島から半年間、船を乗り継ぎ、船酔い、バス酔いしながら片道約3時間かけて練習に通った児童もいる。参加した大山史帆里さん(上原小5年)は「本物の役者さんと一緒の舞台を力いっぱいできて本当に良かった。舞台を作るところから参加し、物事がどんどん形になっていくのを見て感激した。また参加したい」と振り返る。
鈴木虹さん(西表小5年)は「ピノッキオの練習をするうちに友達がたくさんできた。本番は楽しく、笑顔で演じることができて良かった。この劇に参加して将来の夢が『役者』になった」と笑顔を見せる。
同ミュージカルを推進した竹富町教育委員会の根原裕美子さんは「良い経験と本格的なミュージカルの醍醐味(だいごみ)を体験することができた。児童の目が輝いていたことがうれしい。今後も続けていければ」と話す。