八重山の土器「パナリ焼」展-八重山博物館開館35周年記念で

八重山諸島の新城島(あらぐすくじま)で焼かれた土器、パナリ焼

八重山諸島の新城島(あらぐすくじま)で焼かれた土器、パナリ焼

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 石垣市立八重山博物館(石垣市登野城、TEL 0980‐82‐4712)の創立35周年を記念して、同館特別陳列室で「パナリ焼展~やわらかな曲線・素朴な美~」が開催されている。

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 パナリ焼は八重山諸島の新城島(あらぐすくじま)で焼かれた土器のことで、同島をパナリ(方言で「離れ」という意味)と称することからきている。起源は不明だが、一説によると、中国人が島に漂流して住み着き、その製法を伝えたと言われる。壷・鉢・骨壷・風炉・勾玉などが作られており、パナリ焼に関する古謡も伝えられている。

 会場には、八重山諸島から出土した大小の壷や鉢、風炉、火取、骨壷など約30点を展示。また黒島に伝わる古謡「パナリチィチィアーミユンタ」、竹富島の「パナリ焼アヨー」の歌詞も訳を付け紹介している。「パナリチィチィアーミユンタ」では、パナリ焼の製作過程と出来上がった土器を黒島に売りに行くという内容が歌われている。

 同館学芸員の寄川和彦さんは「パナリ焼は作り方だけが伝えられている土器。作り方も陶芸家や研究者によるパナリ焼の復元が試みられる中、必ずしも伝承通りではないことが報告されている」と説明。「展示している壷関連は大体が骨壷。お墓の中にあったことで残っていた」(同)という。「パナリ焼の魅力は形。ろくろを使わず手びねりで成形している」と寄川さん。

 20日には、陶芸家でパナリ焼の復元にも取り組んでいる大嶺實清さんが「八重山の焼物について~パナリ・湧田~物作りの視点から」と題して講演を行った。同展では、大嶺さんにより復元されたパナリ焼も展示している。

 開館時間は9時~16時30分。2月24日まで。

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