石垣市民会館大ホール(石垣市浜崎町)で12月25日、15周年となるウイングキッズリーダーズの現代版組踊「オヤケアカハチ~太陽(てぃだ)の乱~」が上演され、大盛況だった。
同劇は、八重山地区の小学校4年生から高校3年生までの約80人が参加している「子ども演劇ワークショップふるさとづくりリーダー養成講座」の受講生(ウイングキッズリーダーズ)が、同活動の成果発表として上演している。主催はやいま浪漫(ろまん)の会。脚本は平田大一さん、脚色・演出・指導は比屋根秀斗さん。ダンス指導は大浜ひかるさん。
2002年に八重山地区青少年体験活動推進協議会の主催でオヤケアカハチの創作朗読劇を行い、翌年からは演劇としてのオヤケアカハチを演じることで、子どもの居場所づくり、地域に根ざしたリーダーを育てることなどを目的に行われている。
オヤケアカハチとは1500年の石垣島で起こった「オヤケアカハチの乱(オヤケアカハチの戦い)」で、琉球王府軍と戦う農民軍の首謀者とされている。農民軍の敵対勢力の長であった長田大翁主(ナアタファジィ)とオヤケ赤蜂(アカハチ)ホンガワラの両名を英雄として、同劇では描かれている。
15周年記念公演となったオヤケアカハチの舞台のために、脚本にも大胆な脚色が加えられ、服飾デザイナーのさとううさぶろうさんからは舞台を彩る衣装が寄贈され、締め太鼓や金扇子を使ったダンスの演出などが加えられた。
子どもたちの迫真の演技、全力のダンスに、音楽面では池田真作さんと岸本峰子さんのボーカル、西島本聡さん、波照間剛さん、イケマケンさんといったプロミュージシャンがサポートし、壮大な舞台となった。超満席の会場からは、全力で頑張った子どもたちに惜しみない拍手がおくられた。
小学4年生の時から9年間、この活動に参加してきた西仲野裕紀(にしなかのゆうき)さん(八重商工3年)は「自分にとって最後の公演で、こんなにたくさんのお客さんに来ていただいてとても嬉しく感動した。いろいろな方々に支えられて、公演が成功できて良かった。9年間のこの活動で、メンバーをまとめたり引っ張っていったりすることの大変さを知り、たくさんの人たちとの出会いがあり、人とのつながりの大切さも学ぶことができた。ずっと支えてくれた親への感謝の気持でいっぱい」と振り返った。
高校1年から3年間この活動に参加した馬場陸人さん(八重商工3年)は、「15周年の年に主役を任され、公演できたことをとても嬉しく思う。稽古ではきつい事や辛いことも多かったが、メンバーを支えて・支えられて、いろんな壁を乗り越えることができた。これまで頑張ってきたことすべてを出し切れた。自分なりのアカハチを演じるのは難しかったが、稽古を重ね形にし、公演では堂々とアカハチを演じきれた。自分の一生懸命を出しきれて良かった。このメンバーで舞台づくりができて本当に良かったと思う。この活動は本当にたくさんの人に支えられていることを実感し、とても感謝している。この経験をこれからの自分に活かしていきたい。この活動をこれからも20年、30年と地元に愛される活動として頑張って行って欲しい」と語った。