地形や地質から八重山を知る-石垣で専門家招き文化講演会

八重山地域の地形や地質などについて講演を行った神谷厚昭さん

八重山地域の地形や地質などについて講演を行った神谷厚昭さん

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 石垣市教育委員会文化課主催の「2007年度文化講演会」が3月12日、石垣市民会館中ホール(石垣市浜崎町)で開催された。

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 当日は、那覇市出身で2003年に石畳地質研究所を開設した神谷厚昭さんが、「島は生きている-地形・地質から見た八重山地域-」と題した講演を行った。

 神谷さんは沖縄県の島の海岸近くに広く分布する「津波石」や、石灰岩が波の力などにより長い年月をかけて削られてできた「ノッチ」などを調べることによって、地震津波や地殻変動の様子がわかることを説明。「津波石の研究から、先島地方では少なくとも数回の津波が発生していたのではないかと考えられる。中でも、1771年の明和の大津波と約2000年前の津波が大きかった。崎原公園にある津波石は明和ではなく、約2000年前の津波が原因ではないか」と神谷さん。

 また、古地磁気(岩石の残留磁気から求められる過去の地磁気の向きや強さ)から、「沖縄や久米島などの磁極と石垣島などの八重山諸島の磁極が違う。先島だけ時計回りに35度回転をした」(神谷さん)と話した。

 そのほか荒川河口部の花崗岩巨礫(きょれき)からわかること、富崎層やトムル層からわかることなどについて話し、予定時間をオーバーして熱弁をふるった。会場には緑色片岩やチャート、石灰岩、千枚岩など石垣島で採れた岩石を地質層が古い順番に展示、訪れた市民が熱心に眺める姿が見られた。

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