7月29日11時ごろ、西表島の野原(のばれ)沖でロープが巻きついたジンベエザメが発見された。近くで操業していたダイビング業者が、ロープを切って救出するのに成功した。
救出したマリンポイント店長の屋良部守明(やらぶもりあき)さん(36)によると、直径10センチほどの太いロープが巻きついた状態のジンベエザメを発見し、ロープを切ろうとしたが断念したという同業者からの情報があった。ジンベエザメが逃げていると聞き、水中を10分ほど探して水深25メートルほどの所にいるジンベエザメを見つけ、巻きついたロープを切断して救出するのに成功したという。
屋良部さんは「普段はナイフも持たずに海に入るが、前に救出しようとしたダイバーからノコギリを受け取り、連携して助けることができて良かった。救出作業中、逃げずに大人しくしていて、ロープを切ってくれるのを待っているように感じた。ロープが切れると、すーっと泳いで行く姿を見て、本当に良かったと実感した」と話す。救出したジンベエザメは7~8メートルほどだった。
ジンベエザメの生態に詳しい、美ら島財団総合研究センター上席研究員の佐藤圭一さんによると、「ジンベエザメはオーストラリアから日本の北部にも広く回遊しているが、沖縄付近は通り道となっていて、大きな群れを作るような場所が見つかっておらず、見つけることは難しいが、八重山近海にいるのは珍しいことではない。陸から離れたところを回遊していると思われるので、沿岸で見つかることはまれ。体長でいうと20歳前後の個体ではないか。衰弱する前に、ロープから救出されたことはとてもラッキーだったと思う」と話す。