新型コロナウイルス感染拡大の影響で活動自粛を余儀なくされた地元アーティストやライブスタジオなどを応援するために有志の音楽関係者らで立ち上げた「やいまぬむじか実行委員会」が11月3日から、八重山民謡唄者(ウタシャ)の大工哲弘さんの演奏ライブを配信している。
撮影に使用された国指定重要文化財の宮良殿内(みやらどぅんち)
令和2年度沖縄文化芸術を支える環境形成推進事業の一環。撮影は国指定重要文化財の「宮良殿内(みやらどぅんち)」で行われた。「白保節」から始まったライブは、大工哲弘さんの三線と大工苗子さんの鮮やかな琴の音色に唄を乗せ、子守歌「あがろうざ」や「与那国ションカネー」「安里屋ゆんた」など全12曲を披露した。動画の中で大工さんは「自分の故郷で歌えたことに感極まった。また、八重山を代表するような風景が残る宮良殿内というシチュエーションも良かった。八重山の根深い伝統音楽を大事に継承しながら、島外の人へも発信していきたい」と話した。
同実行委員の今村大道さんは「新型コロナの影響はアーティストだけでなく音響・照明やライブハウス、民謡居酒屋など舞台を支える事業者にも及んでいる。賛同してくれたアーティストたちの協力を得て5月からネットでのライブ配信を継続しているが、活動していく中で生ライブを開催するまでには時間がかかると改めて感じた。音楽であふれる八重山の日常を取り戻すまで、賛同してくれるアーティストや技術スタッフの協力を引き続き呼びかけていきたい」と話す。
大工さんは八重山民謡を県内外や世界へ発信し続けている業績が評価され、八重山研究や文化芸術に貢献した人物に贈られる第36回(2020年度)八重山毎日文化賞の正賞を受賞している。
視聴無料。公開は動画投稿サイトYouTube(ユーチューブ)で今月17日まで。