禁煙外来を開設するなど禁煙活動をしている高橋裕子さんが5月23日、「禁煙講演会」を八重山商工高校(石垣市真栄里)で行った。
高橋さんは医学博士。京都大学病院や奈良県内の民間・公立の病院を経て、2002年に奈良女子大学・大学院教授となった。1997年に禁煙支援サイト「禁煙マラソン」を立ち上げ、全国規模で禁煙支援を展開している。
講演会では、タバコに含まれる有害物質やタバコによる体への影響、タバコの煙による周囲への影響などを説明。タバコを吸い続ける恐ろしさを写真やビデオなどで紹介した。さらに、タバコに含まれる一酸化炭素の濃度を測定する機器を実際に使用して喫煙者と非喫煙者の濃度の違いなどを説明。高橋さんは「タバコを吸ってみたいと思うのは子どもっぽい証し。20歳になった大人はそうは思っていない。やめたくてもやめられない状況」と話した。
禁煙外来についての説明では、今年6月から薬局でも購入ができる「ニコチンパッチ」を紹介した。「タバコをやめられないのは脳の病気で治療が必要。タバコを吸っている方にぜひ勧めてほしい」と高橋さん。「タバコを吸わない、健康な生活をしてほしい」と強く訴えた。
そのほか高橋さんと一緒に禁煙普及活動をしている三浦秀史さん、日本で初めて学校の敷地内を禁煙にした和歌山県県庁職員の佐本明さん、薬剤師で禁煙健康ネット大分事務局世話人の佐藤裕子さんが講演を行った。三浦さんは「タバコを吸うだけで罰せられる国もあり、それが世界の常識。タバコをやめたいと思う時期が必ずくる。やめられないのなら、最初から吸わないこと」、佐本さんは「タバコは健康だけじゃなく自由をも奪う。これからも吸わない自分を大切にし、自分で健康を守ってほしい」、伊藤さんは「皆さんもぜひ吸わない人生を送ってほしい。1人で悩まず、先生に相談してほしい」と呼びかける。
高橋さんは、一酸化炭素の濃度を測定する機器4台と「ニコチンパッチ」14枚入り10パックを、石垣市健康福祉センターと八重山保健所にそれぞれ贈呈した。