沖縄県は6月23日、戦後63年目の「慰霊の日」を迎えた。
沖縄戦で日本軍の組織的な戦闘が終結した6月23日を、沖縄県が条例で「慰霊の日」と制定。毎年、糸満市摩文仁の平和祈念公園で沖縄全戦没者追悼式が開かれており、各離島でも追悼式や平和祈念式が行われている。
石垣市では、新栄公園内にある世界平和の鐘(石垣市新栄町)で鐘打式が行われた。正午のサイレンとともに黙とうが捧げられた後、世界の恒久平和を願って力強く鐘を打った。世界平和の鐘の会沖縄支部支部長の平田哲三さんは「戦争はいかなる理由があっても二度と起こしてはならない。これからも命の尊さと平和を世界へ伝えていきたい」とあいさつした。
15時からは、バンナ公園内にある八重山戦争マラリア犠牲者慰霊之碑の前で「平成20年八重山戦争マラリア犠牲者追悼式」が行われた。
八重山地域では地上戦はなかったが、軍の作戦展開の必要性から住民が悪性マラリアの有病地域である石垣島・西表島の山間部への避難を強いられた。過酷な生活の中で住民はマラリアに罹患し、3,000人余りが亡くなった。
追悼式では黙とうが捧げられ、式辞で大浜長照市長が「沖縄の地上戦とともに忘れてはいけないもの。過去の悲惨な体験を忘れることなく、世界平和を八重山から伝えていかなければならない」と述べた。
そして八重山戦争マラリア犠牲者遺族会の篠原武夫会長、仲井眞弘多沖縄県知事(代理・兼島規八重山支庁長)も追悼のことばを述べ、代表焼香のあと、石垣島出身の歌手・平得美帆さんが「星になったこどもたち」「レクイエム」を犠牲者への追悼を込めて歌った。
16時からはバンナ公園の入口近くの「八重守之塔」で「石垣市全戦没者追悼式並びに平和祈念式」が行われ、遺族のほか各団体や小中学校の代表らが参列し、献花や焼香に列を連ねた。また、石垣市が平和をテーマに募集した「平和を考える作文」で、今年の最優秀賞に選ばれた石垣中学校3年の仲若由帆さんが朗読を行った。