沖縄で初めて「ドリアン」の花が開花-果実の収穫にも期待

沖縄で初めて開花した「ドリアン」の花。人工受粉も行っており、果実の収穫も期待される

沖縄で初めて開花した「ドリアン」の花。人工受粉も行っており、果実の収穫も期待される

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 国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点(熱研)で栽培しているドリアンが6月20日、初めて開花した。

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 熱研では、熱帯果樹低芋樹高栽培プロジェクトとしてベトナム、タイでドリアンの低樹高化栽培技術と周年生産技術の開発を研究している。石垣島では2005年に接ぎ木を行い、80リットル鉢で栽培し、今回そのうちの2品種で初めて着花し、開花が始まった。

 同センター生産環境分野長の米本仁巳さんは「ドリアンの開花は通常11月~1月ごろの雨季から乾季入る時期。この時期での開花は珍しい。水の調節を行うなど人工的な乾燥ストレスにより、花芽誘導されたものだと思う」と説明。タイやベトナムでは接ぎ木を定植してから5年、樹高5メートルを越えるようになると結果し始めるという。石垣島のドリアンはまだ3年と若い樹で、樹の先端を紐で横に伸びるよう固定しているため、樹高も2メートルほど。「まだ完璧ではないが、花が咲いた。来年にはもっと咲かせていきたい」と米本さん。

 また、ドリアンは自家受粉が可能のため、人工受粉も行われている。米本さんは「結実しても果実が肥大するかは分からない」というが、もし果実が収穫できれば国内では初めてとなる。米本さんは「石垣島の冬季の最低気温よりも低いベトナム高地でもドリアンの栽培が行われている。台風という問題があるが、石垣島でも無加温でドリアンの栽培が可能。現在の研究対象は海外だが、ぜひ地元にも還元していきたい」と話す。

 ドリアンはパンヤ科の果樹。5キロを超える大きな果実に堅い刺のついた果皮、果実が熟すると発生する強烈な臭いから「果物の魔王」と呼ばれている。

国際農林水産業研究センター熱帯・島嶼研究拠点環境を考える保全農業について学ぶ-熱研が市民公開講座(石垣経済新聞)国際農林水産研究センター、「熱研市民公開講座」-サトウキビ研究について(石垣経済新聞)

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