八重山の伝統工芸「花織みんさ」や「八重山上布」などを製造販売しているみね屋(石垣市新川、TEL 0980‐83‐0039)が12月2日、八重山上布の色止めのため「海さらし」を行った。
海さらしは八重山上布を作る工程で行われる特徴的な作業で、織り終えた上布を天日に干したあと、色止めのために海にさらす。みね屋の代表である高嶺幸子さんは「海水にさらすことで、染料が落ち着いて色柄が鮮やかになる。汚れも取れるので、地色が白くなる」と説明。「海さらしは天候に左右される。写真を撮りたいという人もいて、『やる時は連絡ください』と言われる」と高嶺さん。昔は当たり前のように行われていたが、最近では珍しい光景となった。
八重山上布は植物性の苧麻(ちょま)の繊維を原料にしている織物で、琉球王朝時代には人頭税の御用布として王朝の管理のもと、精巧な織物が完成した。