八重山の3高校で入学式が行われた4月7日、八重山農林高校(島袋良直校長)では牛と一緒の入学式が行われた。
入学したのは、畜産科の吉本秀鷹くんと愛牛の「ちんねんゴバヌー」。ゴバヌーは闘牛としてすでに7戦5勝2敗の成績をあげている雄の7歳。クラスメートや先輩らに迎えられ、一緒に門をくぐった。
島袋校長は、ちんねんゴバヌーの入学許可を読み上げ「全国でも珍しいケースではあるが、秀鷹くんの強い意志と、今後のホームプロジェクト学習の完成を期待している」と式辞。吉本くんは「3年間、遅刻や欠席をしないようにし、3年生になった時には牛の世話の仕方や闘牛大会の成績を発表できるよう頑張りたいと思います。今日はありがとうございました」と決意と感謝の気持ちを述べた。
趣味で闘牛をしているお父さんの影響で、家族全員、牛が大好きという吉本家。5人兄弟の長男である秀鷹くんも、朝から牛の世話をし、小さい時から牛と入学したいと思っていたという。これから3年間、「家庭での牛の育て方」という課題を掲げ、ゴバヌーを家で育てながら、学業に励む。
併せて闘牛大会にも出場。砂浜を1時間半かけて散歩させたり、牛の鍛錬も行う。体重820キロのちんねんゴバヌーは軽量級。「900キロに増やして軽量級で優勝したい」と秀鷹くん。
息子の思いに喜ぶ父の秀之さんは「闘牛の育て方はまだまだこれから。わからないことは本人が聞いてくるまで待つ」と、あくまで自主性を大切にしながら、息子の成長を見守る。
「将来は人工授精師になりたい」という秀鷹くん。ちんねんゴバヌーと一緒に歩む3年間が始まった。