八重山に伝わる昔話やわらべうたなどを手作りの人形を使って伝える、ハッスルばーちゃんの会の代表、西表秀さんの米寿を記念した「88歳の手技(ティーワザ)展」が9月12日・13日に石垣市民会館(石垣市浜崎町)で開かれた。
西表さんは約40年の教員生活を経て、退職後も児童文化サークル「くにぶん木の会」、石垣市文庫連絡協議会の初代会長を務めるなど、児童教育、児童文化の継承に力を注いでいる。
展示会では、サークル活動で使ってきた手作りの人形や紙芝居、絵本などを展示。それもただ並べるのではなく、昔の家族団らんや生活風景を再現するよう工夫した。中でも、大木の回りで石けりをしたり、縄跳びをしたり、ブランコに乗ったりして遊ぶ子どもたちの様子を表した「子どもの世界」が人気で、訪れていた子どもたちも「かわいい、みんな笑ってるよ」と一緒に遊んでいるような笑顔を見せていた。6人の孫が産まれた時にそれぞれに贈ったという手作りの絵本や昔の子育て本は、大人たちが座り込んで夢中に読む姿も。
「私が育った昔の八重山の原風景を人形で再現したかった。生きている限り、人形を作り続けたい」と西表さん。「この展示だけでなく、いつでも見てもらえるような場所があればと思う。将来、人形の家を作ろうかしら」という夢も。
その思いが通じたのか、石垣市立図書館の職員が展示会を訪れ「ぜひ図書館に飾らせてほしい」と依頼。西表さんは「喜んでいつでも貸しますよ」と申し出に喜びの表情を見せる。10月には、「子どもの世界」が石垣市立図書館に展示される予定だ。